薙刀 名物「権藤鎮教」を見に福岡市博物館に行きました

審神者向け福岡観光プラン書くのに手間取って、展示終了してしまってからのアップになり非常に申し訳ないのですが、福岡市博物館の平成28年度黒田家名宝展示で展示された薙刀 名物「権藤鎮教」を観に行きました。その個人的な感想を写真と共に書きます。
薙刀 権藤鎮教・全体
いつも初心者な感想ですが、今回は手持ちで一番詳しい日本刀についての冊子を紛失して参照できない状態で、いつも以上に記述が残念です。ご容赦ください。
黒田記念室の日本号の隣に展示されていたのですが、入って見てすぐ「大きい!」と思いました。
キャプションにも図録「黒田家の刀剣と甲冑」にも「長さ69.0」としか書いていなかったのですが、茎が刃よりも長く、全長は130~140cmくらいありそうでした(両手広げて長さ確認したかったけど、人が少ないとはいえさすがに恥ずかしくてできなかった)。
日本号と権藤鎮教
変な角度の写真しか撮っていなかったので分かりづらく申し訳ないのですが、日本号(柄を含めて全長約3.2m)と並んでこの大きさです。
次に鎺。
まずこれまでの黒田家の刀剣(圧切長谷部日光一文字城井兼光和泉守兼定)の鎺にあった桐の紋(前にも書いたけれど、豊臣とは関係はないらしい)がなく、のっぺりとした鎺でした(写真じゃのっぺり感全然ないけど)。
そして今年の圧切長谷部展示のときに学芸員さんのお話を聞いて、刀身を通す部分の大きさ=刃の厚さを見るようになったのですが、かなりぶ厚い(鎬が高い)です。これまで記憶している中で一番厚く、1cm以上はあると思いました。そして写真じゃわかりづらいですが三ツ棟です。
権藤鎮教・鎺
ガラスがあって棟を撮るのが難しい……。
長い茎。
権藤鎮教・茎(全体)
茎穴は2つ(茎尻側がちょっと大きい)で、金象嵌で「権藤」。
権藤鎮教・茎(銘)
キャプションによると名称の由来は2説あり、

  • 朝鮮で黒田考高(官兵衛)が虎に襲われそうになったときに、家臣の権藤がこの薙刀で虎を退治した(「享保名物帳」による)

  • 関ヶ原の戦いで西軍として日向国宮崎城に籠城し、考高の投降の呼びかけにも答えず忠義を貫いて戦死した権藤平左衛門が愛用した薙刀が、死後に考高に届けられた(「黒田家重宝故実」による)


どちらの説にしても、権藤鎮教はキャプションの見出しの通り「孝高(官兵衛)が認めた武将の薙刀」であることに間違いはなさそうです。
見えない裏側(本当は表?)には刀工の名「平鎮教」があるらしいです。
で刃。今回の記事が遅れた2つ目の理由でもあります。
権藤鎮教・刃(全体)
刃文は図録によると「丁子乱、互の目交じり(全部書くのはまずいと思うので以下略)」なのですが、なんとも形容しがたい、ぞわぞわくる刃文です。すごく伝わりにくいと思うのですが個人的には太陽のフレアとかマンデルブロ集合(リンクはGoogle検索結果。数学的・視覚的に頭が痛くなるので注意)という言葉が頭に浮かびました。場所によって乱れ方が違うのでフラクタルではないですが。
この何とも言えない感覚を皆さんにお伝えしたいのですが、600pixel×400pixelの画像におさめるのが難しく……縮小すると潰れるし、拡大すると局所的なところしか伝えられないし、痛し痒し。
鋒(薙刀でも鋒と呼ぶ?)から茎まで刃文がどんどん変化していきます。
権藤鎮教・鋒
鋒は穏やかだったのに、どんどん茎に近づくにつれて激しくなっていく感じ。
権藤鎮教・刃文
権藤鎮教・刃文(樋のあたり)
個人的に好きなところをアップにしてみるとこんな感じ。
権藤鎮教・刃文アップ
権藤鎮教・刃文アップ
刀剣用語で何というかわからない! 上手く伝えられずもやもやする……!
あと刃文以外で目立つのは、樋の端の上のほうにある刃こぼれ(写真中央付近)。
権藤鎮教・刃こぼれ
日本号にも角度によって見える小さな刃こぼれがあるけれど、こちらは肉眼で普通に見えます。実戦で使われた証ですね。
樋の形も好きです。
平成28年度黒田家名宝展示での刀剣展示については、大体公開開始から2週間経ってからブログに記事UPしようとしているのですが、「もう一回見てから書こう」とかしているので遅れ気味です。早く見たいという方はすみません。
いよいよ明日から安宅切と重文の金霰鮫打刀拵(圧切長谷部の拵の本歌)が展示されますが、ブログ記事UPは何か特別なことが無い限りしばらく先になるかと。iPhoneの標準カメラで撮った写真ならもう少し早くTwitterに「見たよ」記念でツイートするかと思います。
あと、他の企画展もどれも良かったので簡単に紹介。
企画展示室1「福岡藩の殿様と武士と動物たち―馬と鷹―」
1回さっと見ただけで、会期中に展示替えもあるということですが、すごく内容豊富で濃いです。キャプションがすごく丁寧に作られていて、数も語られる内容も沢山あるのにスッと伝わって、結構頭に残ります。あと圧切長谷部を普段ざししていたという黒田長溥の写真パネルがありました。
企画展示室2(黒田記念室)「ごちそう日本美術」
まず案内役の豆腐小僧がすごく可愛いです。キャプションとWebでも見れるリーフレットで微妙に話していることが違うので見比べてみてもいいかも。スズメの遊郭の浮世絵と酒を飲む猩々の絵が好きです。
企画展示室3「九州能面紀行」
能面本体・能面についてのキャプションのほかにその能面が使われる九州ゆかりの話の簡単な紹介があるのですごくわかりやすいです。「三日月」の面の目についての解説を見ると三日月宗近の瞳について考えさせられるものがあります。
企画展示室4「ふくおか発掘図鑑7」
5回以上見ているけれど考古趣味なので全然飽きないです。専門家の人も「こんなの見たことない」というものがさらっと展示されています(「大型の深鉢」)。 次の「経塚フロンティア2016」はまさかの去年からの続き物。
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