立花家史料館文化講座「へし切と雷切、その主たち―俺色に染まれ―」を受講してきました - 福岡で見た刀剣
04
2016

立花家史料館文化講座「へし切と雷切、その主たち―俺色に染まれ―」を受講してきました

2週間以上前の話になりますが5/18に、西鉄福岡(天神)から特急電車で約50分、福岡県南部の柳川にある立花家史料館に行き、立花家史料館文化講座「へし切と雷切、その主たち―俺色に染まれ―」を受講、そのあとで特別展「よくわかる刀剣の見方」を鑑賞しにいきました。
平成28年度立花家史料館文化講座第一回資料(部分)
以下、長くなりますが、その日の様子を2回に分けて書いていきたいと思います。
※今回は刀剣そのものの写真はありません。川下りと料理、講座の話が中心です。あと乱文なので、突然何も言わずに書き換えたりするかもしれません。ご了承ください。
まず福岡(天神)から柳川まで直行するには、だいたい30分に1本の間隔で運行されている西鉄電車の特急電車に乗る必要があります。

西鉄電車には特急券とか特別料金制度がないので、券売機で普通に切符を買ったり交通系電子マネーを使ったりしてもよいのですが、今回は福岡(天神)駅のチケットカウンターで「柳川特盛きっぷ」を購入しました。
柳川特盛きっぷは

  • 往復乗車券(参考:福岡(天神)~西鉄柳川 往復1700円)

  • 川下り(70分コース 1600円)

  • 9つの店から選べる柳川郷土料理


あと3つの特典クーポンがついて、福岡天神から5150円です。

ちょっとお値段張りますが、柳川で名物の柳川鍋とかうなぎとかを食べようとすると結構なお値段がするので、「川下りをして昼ご飯は柳川名物を食べる」と決めているならこの切符をオススメします。立花家史料館を見る場合は「御花」を選ぶと、入場料も込みになるので更にオススメです。
ちなみに西鉄柳川駅から立花家史料館(御花)まで、歩いて30分強、バス・タクシーで10分前後かかるようです。バスは最寄の「御花」から片道210円、タクシーだと片道1120円。バスが安いんですけど本数がかなり少ないのがネック。
柳川特盛きっぷ
西鉄の乗車券シリーズ「きっぷら」は、九州国立博物館きっぷなど割とお得感がある切符が多いので、「福岡行くんだけど」という方は見るといいと思います。

で、切符を買って大牟田行の特急電車を待っていたのですが、来たのが偶然「柳川観光列車 水都」。
柳川観光列車「水都」
去年の秋から運行している旧型車両を改装した観光列車で、各両ごとに違うラッピングと内装、そしてこれまた各両ごとに違うデザインの乗車記念カードが置いてある列車です。大人げなく全車両回って乗車記念カードもらってきましたw 6枚あるのですが、全て立花宗茂と誾千代関連のカードで、雷切丸のイラストカードもあるので好きな方はぜひ。
水都は一日数本しか運行しないレアな列車なので、狙って乗りたい場合は公式サイトの運行案内で運行スケジュールを見てください。
電車が出発して約50分、西鉄柳川駅を降りたら、今回乗る川下り会社の乗り場までの無料シャトルバス(バンに近い)が出ていたのでそれに乗車。

揺られること数分で、三柱神社近くの乗船場に到着。乗り場では100円で頭にかぶる「ばっちょ傘」がレンタルできました。「日焼け止め塗ってるし大丈夫だろ」と借りなかったのですが結構暑かったので、これからのシーズンは借りた方がいいです。
柳川観光開発川下り乗り場(三柱神社)
平日ということもあるのか、アジア各国からの観光客が多かったです。
船頭のおいちゃんも片言の英語を交えつつ、案内をしてくれました。
柳川川下り船内の様子
藤やツツジの時期が終わり、花菖蒲はまだ数輪しか咲いていないという微妙な時期でしたが、天気も良く新緑が綺麗でのんびりとできました。
柳川川下り中の眺め
頭上ギリギリの橋をくぐったり、船頭のおいちゃんの歌を聞いたり、ゆったりと時間が過ぎていきました。ドライブスルーもありましたw
柳川川下り終点

川下りの終点から5分くらい歩いて、今回の文化講座が行われる柳川藩主立花邸「御花」へ。
レストランの入り口に「本日はうなぎのせいろ蒸しのみの提供です」と書いてあってちょっと不安になりましたが、特盛きっぷを見せる「大丈夫ですよ」と入園チケット(500円相当、「柳川特盛きっぷ」では料理を「御花」で食べる場合のみ貰える)をもらったので安心。
料理の準備に15分かかると言われたので、急いですぐそばの立花家史料館を見ることに。
立花家史料館

「当日のチケットを持っていれば再入場可」と受付の人に聞いたので、とりあえずサッと中を見学。
本当にサッと見てたら15分あっという間に経ったので、レストラン「対月館」へ。

レストランに入るともう席に料理が用意されていて、その写真がこちら。
御花柳川特盛セット
小鉢が3つあったのですが、一番右は有明海の海の幸、イソギンチャクの味噌和え。
イソギンチャクを食べるのは2回目(1回目は特盛きっぷで選べる「つむら」さん)。イソギンチャク本体にはあまり味はないのですが、食感がコリコリしていい感じです。
御花柳川特盛セット(柳川鍋)
そしてメインの一つ、柳川鍋。
実は初めて食べたのですが、どじょうの味はかなり独特でした。これまで食べた魚と全く違う、野生の肉とかに近い印象を受けました。また食べたいかも。
御花柳川特盛セット(ミニうなぎのせいろ蒸し)
続いてきたのが、これまた柳川名物のミニうなぎのせいろ蒸し(奥に写ってるいるのはデザート3品)。「ミニ」ってついているけれど、それなりに量あります。美味しかったです。デザートの紫いものケーキも良かったです


時間がなかったのでいそいでご飯を食べて、今回来たメインの用事へ。
2016年度立花家史料館文化講座 第1回 「へし切と雷切、その主たちー俺色に染まれー」。
会場はホテルになっている松濤館。開始前にはお茶と梅が枝餅を頂きました。
松濤館
立花家史料館文化講座は奇数月の第3水曜日に1回1000円、通年3000円で1回2時間半の講座を受けることができます。私は初めてなので、とりあえず1回のみ受講と事前にメールにて応募しOKをもらいました。
今回の講座の受講者数は真面目に数えてませんが50人くらいいたと思うのですが、「過去の文化講座で最多」とのこと。そのうち審神者らしき参加者が1/4~1/3くらいだったような。

で、文化講座の内容についてですが、
一言で表すなら「超良かった!」、もう一言付け加えるなら「古文書読めるようになりたい!」
……ってそれだけじゃどんな感じだったか全然わからないので内容を書いていきたいのですが、さすがに有料講座の内容だし全部書くと色々まずいかなと思うので概要とポイントだけ。

まずは講座全体の概要。
タイトルから「黒田官兵衛(如水)や長政、立花宗茂の話が中心なのかな」と予想していたのですが、実際は「各家に残る史料から『黒田家や立花家代々で刀剣がどのような扱いをうけていたか』を読み取っていく話」が中心でした。講師のお二人(福岡市博物館の学芸員の方と、立花家史料館の館長)が刀剣の専門家ではない、とのことなので刀の専門用語とかは殆ど出ず、刀剣そのものに興味がなくても十分聞いていられる興味深い内容だと感じました。また、あまり聞かない明治から昭和にかけての話もあって、そこも良かったと思います。
配布された資料はA3で第1部が5枚、第2部が3枚(1枚両面印刷なので実質4枚分)。うちレジュメ・解説が1枚半くらいで残りは実際の史料のコピー、または書き下し。そう書くとちょっと難しげですが、資料内または口頭で解説・フォローがちゃんとされるので、「どう読めばいいか全くわからない」ということはありませんでした。
そして第1部の黒田家、第2部の立花家の話では共通する内容があって、それは

  1. 武具が「実戦で用いる道具」から「家宝」、「武家としてのアイデンティティの要」へとなる流れ

  2. 江戸幕藩体制中の「徳川家から拝領した刀」が第一とされる価値観


この2つは、今後刀剣の歴史背景を知るのに重要かな、と思いました。
講座中の話で出てきた刀剣は、第1部が一国長吉、へし切長谷部(史料内でも色々表記ゆれがあるので、配布資料に従います)、日光一文字、岡本正宗、稲葉志津、二字国俊、日本号など(小夜左文字と博多藤四郎などが名前だけ)。第2部が雷切と波泳兼光、あと短刀 吉光の話が少し(曰く「江戸時代の台帳に出てこない謎の刀」)。


第1部のタイトルは「刀剣・武具の伝来から見た福岡藩主黒田家の歴史」。
黒田如水(考高・官兵衛)の時代から現代まで、刀剣が黒田家代々(そして現代は東京国立博物館委託→福岡市美術館→福岡市博物館)でどのように扱われてきたか、その変遷を書状や台帳様々な史料から読んで学んでいきました。
本当は各時代時代についてどうだったのか詳しく書いていきたいのですがちょっと憚られるので、皆さん1番気にされているであろう、へし切長谷部関連の内容で、典拠があるもののみ一部抜粋します(典拠も載せてるので、気になる人は読んでください。「黒田家文書」は福岡市博物館で売っています。下のリストの話とは関係ないですが特別展『黒田家 その歴史と名宝展』の図録の巻末に載っている「黒田家重宝故実」の表も今回の資料に使われていておススメ)。

  • 黒田長政の遺言状に、へし切を長男の2代藩主黒田忠之ではなく4男の官兵衛(=黒田高政)に譲る、と書いてある(『黒田家文書』第二巻 112ページ)

  • 日光一文字を祖父である黒田如水から直接貰った黒田忠之が日光一文字の拵を注文したときの注文書が残っていて(『黒田家文書』第二巻 234ページ)、そこには「へし(圧)切之刀に少もちか(違)ひ不申様ニ」、つまり「へし切長谷部の拵と違いが全く無いように作ってほしい」と書いてある(※どうしてそう注文したかは不明で、そのときの拵も残っていない)

  • 19世紀に編纂された黒田家刀剣台帳(福岡市博物館蔵。ちなみに黒田家の刀剣台帳はこの時期のものしか現存していないとのこと)のへし切長谷部(壓切御刀)の名の横に「中将様御指」(中将様=福岡藩11代藩主、黒田長溥が普段指ししている)と書いてある


とりあえず、「へし切長谷部が19世紀に普段指しとして使われていた」ってのを聞いただけで来た甲斐があった気がします。

長溥については全然知らない(Wikipedia以外だったら、地元銀行、西日本シティ銀行のページの最後の殿様「黒田長溥」が詳しそう)のですが、長政の兜として知られる大水牛を福嶋家(誤字ではないです)を買い戻していたりもしたそうで、お話にあったように「先祖の武功にあやかる」という気持ちがあったのでしょうか。
あと、メインの話題にはならなかったけれど、日光一文字が3代藩主光之の頃から、ずっと徳川家から拝領した刀と同格かそれに近い扱いを受けていたようだったのが気になりました。黒田忠之によってへし切長谷部と同じ拵にされていた時期もあるというし、刀剣乱舞に実装されたらどうなるんだろう……。

明治以降は恐慌で多くの刀が売却されたり、空襲で蔵の大半が焼けて一番大切なものを入れた蔵だけが残ったという話。
そして最後の方には現代の話。大河ドラマや刀剣乱舞などで注目をうけて、(内容の真偽はともかく)新たな史料が見つかったりもしているよ、という話。ここでは日本号の話も2つありました。
1つ目は3Dスキャンで柄が倶利伽羅龍と同じ方向の右回りの螺旋状になっていることがわかったということ。
柄の螺旋がよくわかる3Dプリンタで出力された「日本号」は、ゴールデンウィークまでは福岡城の三の丸スクエアにあったそうなのですが、現在どこにあるかは未確認。またどこかで展示してほしいなあ。
三の丸スクエアの3Dプリント日本号(全体)
これは4月の福岡城さくら祭りのときに撮った写真なのですが、確かに螺旋を描いてて「実物もそうなの?」と。
三の丸スクエアの3Dプリント日本号(柄)
2つ目は、真田家関連の史料から「後藤又兵衛が海の中で玉鋼を見つけ、それを刀工に渡して打たせたのが日本号」という記述がみつかったそうです。真偽のほどは偽のほうが濃色なようですが……。


ここまで来て、私色々爆発しそうでした。ここまで凄い内容だとは思わなかったので……。

5分強の休憩をはさんで第2部が開始。
第2部のタイトルは「藩主所用の武具がいかにして家宝になっていったか」。こちらは立花家の話です。
まずは「『実戦の道具』から『武家のアイデンティティの要』へという流れ」、「『個々の大名の好み』から『徳川好み』という基準」から「刀剣や甲冑などの武具が、『近代美術』という概念から少し外れたものになっている」という指摘。
そこから藩主が使っていた道具を記録した「御道具帳」の分類(雷切丸だけみても4つの分類の違う御道具帳に載っている)を学びました。第1部でも話が出たけれど、順番とか並びというのは割と大切なポイントなようです。
御道具帳について学んだあとで、雷切丸と波泳兼光(現在は個人蔵)の由来を、「由来を伝える御道具帳」を見つつ学ぶ、というのが第2部の大きな流れでした。
詳細は書くと全部書かなくてはいけなくなりそうなので、雷切丸について一部だけ書きますが、雷切丸について「2代藩主、立花忠茂が家臣に贈って、その家臣が死ぬと雷切丸も処分されかけた」という話があるそうなんですが、それについて「この手の話は由来覚を見ているとよく出てくる、3代目くらいまではそういう話がある」という趣旨の話をされていて印象的でした。
本当はもっと書きたいのですが、これ以上書いたら全部書いてしまいそうなので……すみません。
他にも今年のへし切長谷部展示ポスターは福岡タワーを訪れる海外観光客向けだった(吹き出しのフォントは「なごみフォント」と仰っていましたが、おそらく「花風なごみ」)という話とか色々あるのですが、これ以上書くのはとりあえずやめておきます。とにかく2時間強濃かったです。内容もっと知りたい人は参加された別の方が何人か詳細なレポを呟いておられるので、調べてください。


講座が始まったのが14:00過ぎで、終わったのが16:20ごろ。

雷切丸関連の資料が西鉄柳川駅近くの柳川古文書館にも展示されているとのことでしたが、入館が16:00までとのことで断念して、その後は川下りと食事を一緒にとった連れ(家族)と、18:00まで開いている立花家史料館を観に行くことに……。
と、ここまで書いてかなり長くなったので、立花家史料館の展示「よくわかる刀剣の見方」についての話はもう1個別の記事にしたいと思います。
まだ全然かけていないのですが、できる限り早くupできるよう頑張ります。
追記:
書きました。
立花家史料館で「よくわかる刀剣の見方」を見てきました・特盛版
6/5にあったギャラリートークの内容をミックスした構成です。

大広間の本丸っぽさ凄いですよ!



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協力のほどどうかよろしくお願いします!
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